生活史

ウナギは淡水魚として知られているが、海で産卵・孵化を行い、淡水にさかのぼってくる「降河回遊(こうかかいゆう)」という生活形態をとる。

従来ウナギの産卵場所はフィリピン海溝付近の海域とされたが、外洋域の深海ということもあり長年にわたる謎であった。しかし2006年2月、東京大学海洋研究所の塚本勝巳教授が、ニホンウナギの産卵場所がグアム島沖のスルガ海山付近であることをほぼ突き止めた。5〜6月の新月の夜、一斉に産卵が行われると考えられている。

卵から2〜3日で孵化した仔魚はレプトケファルス(葉形幼生、Leptocephalus)と呼ばれ、親とは似つかない柳の葉のような形をしている。この体型はまだ遊泳力のない仔魚が、海流に乗って移動するための浮遊適応であると考えられている。レプトケファルスは成長して稚魚になる段階で変態を行い、扁平な体から円筒形の体へと形を変え「シラスウナギ」となる。シラスウナギは体型こそ成魚に近くなっているが体はほぼ透明で、全長もまだ5cm ほどしかない。

シラスウナギは黒潮に乗って生息域の東南アジア沿岸にたどり着き、川をさかのぼる。流れの激しいところは川岸に上陸し、水際を這ってさかのぼる。川で小動物を捕食して成長し、5 年から十数年ほどかけて成熟する。その後ウナギは川を下り、産卵場へと向かうが、その経路に関してはまだよく分かっていない。海に注ぐ河口付近に棲息するものは、淡水・汽水・海水に常時適応できるため、自由に行き来して生活するが、琵琶湖や猪苗代湖等の大型湖沼では、産卵期に降海するまで棲息湖沼と周辺の河川の淡水域のみで生活することが多い。また、近年の琵琶湖等、いくつかの湖沼では外洋へ注ぐ河川に堰が造られたり、大規模な河川改修によって外洋とを往来できなくなり、湖内のウナギが激減したため、稚魚の放流が行われている。